2020/10/30
Audi A5ご入庫
Audi A5ご入庫です。
初めて当社をご利用頂くおクルマです。
中古車にてご購入後、トランスミッション警告灯点灯、DSG=変速機が2.4.6の偶数番にしか入らなくなったとの事。
走行距離は10万キロ近くという事もあり、買い替えもおススメしましたが、オーナーさまは購入直後との事で修理を強くご希望。
当社としても、相当にやりがいのある修理作業ですので、お受けする事となりました。
先ずは診断機によるチェックを行ったところ、やはり変速が正確に作動してない、ギアが抜けきっていない様子です。
DSG制御の心臓部であるギアの変速を担うソレノイドバルブの作動不良が原因と考えられます。
先ずは、DSGオイルを抜きます。
と、ここで嫌な予感が
やたらにオイルが綺麗なんですよね。
一応、オイルの汚れ具合をろ過して確認するチェッカーを使用しても、やっぱり綺麗。
明らかに極々最近に交換している模様
あ~、これって何か修理作業をしている感じがアリアリです。
オイルパンを外してみると、綺麗な上に明らかに一度取り外した痕跡が有ります。
パッキンは交換していないようですね。
念の為、オーナーさまに確認するもご存知ないとの事、
車検証入れにあるメンテナンスノートや記録簿を確認するも、そのような修理の記載はナシ
兎に角、作業を進めて行くしかない状況。
こちらが取り外したバルブボディー=変速用バルブの基盤
リペアキットを使用して、手順に従って、各部品の交換作業を進めて行きます。
取付完了
新品のパッキンとオイルパンをセット
DSGオイルを充填します
作業完了後にテスト走行
問題無しという事で、翌日の最終テスト走行後にお返しできると考えていたのですが…
閉店時間に車両を工場内に戻す際に警告灯が再点灯、入庫時より遥かにマシになったとは言えども、変速が出来ない症状が再発しています。
ここから、無限ループにも感じるトライ&エラーの繰り返しがスタートします。
正規ディーラーさまでは、決して行わない作業ですから作業方法をお尋ねするのは無理
ネット上でDSG修理に関しては超の付く程の有名店にお尋ねするも、このタイプの湿式DSGの修理は故障個所が多種多様で困難極まるとの事です。
実車を直接診ないと分かりかねるとのお返事。
同じBosch Car Serviceの加盟店の内、DSGの修理経験があろう何社かに問合せするも決定的な解決方法が見出せません。
最終的には、自社で色々と調べる過程で、DSGの根本的な仕組みと原理を理解する事が出来、様々な同業者さまから頂いた知識をミックス、応用して施工すると…警告灯もエラーコードも症状も再発しません。
繰り返し試乗しましたが、今回はエラーコードも出ませんし、変速不良もありません。
但し、僅かですがまだ停止直前でギアが完全に抜けていない、中途半端に繋がっているようなショックを感じます。
ここで整備士の矜持でしょうか、担当整備士はこの変速ショックが非常に納得いかないとの事。
更に、DSGの構造を深堀して調べ上げます。
結果、本当に繊細で微妙な調整を行う事で、最後の難関であった停止直前でのショックも完全に消し去ることが出来ました。
私もテスト走行を行いましたが、通常モードは勿論、スポーツモードに切り替えた際にも気持の良いブリッピングを効かせながらのダウンシフトを行う事が出来ます。
いやはや、我が社ながら完璧な出来栄えです。
大変にお時間を頂きましたが、ようやく自信を持ってオーナーさまにおクルマをご返却する事が出来ました。
この度は当社をご利用頂きまして、誠にありがとうございました。
またのご来店をお待ちしております。
高槻・上牧・島本・水無瀬・山崎・長岡京・枚方・八幡・淀にお住まいのアウディ車オーナーのみなさまは勿論、輸入車オーナーのみなさま、中古輸入車販売店でご購入された後、不具合症状にお悩みのオーナーのみなさま、是非、お気軽にTAC高槻オートをご利用下さいませ。